ペーパーシリンダーは、紙の筒。軽くて加工しやすいその特長を生かし、既存の部材に代えて利用することにより、これまでにない機能をもつ製品の開発が可能です。
別名平巻紙管のことで、スパイラル紙管が紙をらせん状に巻きつけて製造していくのに対し、ペーパーシリンダー(紙管)は紙が重なるように金属製の巻芯に巻きつけて筒形状にした紙管です。スパイラル紙管のように継ぎ目がないため強度が高く、巻数を増やし厚くすることにより強度はさらに高まります。
ペーパーシリンダー(紙管)の素材は紙。そのうえ金属部の巻芯に紙を巻きつけて紙の筒にする製法から、中は空洞で、他の素材に比べて格段に軽い部材となっています。紙管を部材として用いることにより軽量化を図ることができ、必要な強度は紙の巻数によりコントロールすることができます。
《耐圧試験結果》
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ペーパーシリンダー(紙管)は中が空洞の構造ながら、内径 565mm、紙の厚さ 20mm で木材と同程度の圧縮 強度を得ることができます。
金属部材や木材に代わる部材として、建築の構造材などにも使われています。
内径は金属部の巻芯の太さによって変えることができ、当社では現在 225mm から 565mm の 内径に対応。巻きつける紙の厚さはスリッターによる切断性能の関係から、現在 1.7mm から 20mm まで対応しています。
※上記の内径・厚さを超えるものにつきましては、ご相談いただけましたらオーダーメイドでの作成を検討させていただきます。
内径 225mm× 長さ 25mm |
内径 335mm× 長さ 300mm |
内径 355mm× 長さ 300mm |
当社のペーパーシリンダー(紙管)は平巻きによる製造のため、長さは金属部の巻芯の長さが最大となります。そのため現在 1500mm が最大で、それ以内でしたらミリ単位でのカットが可能です。必要な紙管の長さについてはご相談ください。
内径 225mm× 長さ 25mm /5 巻き 厚さ 1.7mm 内径 255mm× 長さ 300mm/15 巻き 厚さ 5mm |
内径 515 長さ 1500/8 巻き 厚さ 2.6mm |
紙管の端を絞り加工を施し、ジョイントすることにより長尺にすることが可能です。写真右は、3本のペーパーシリンダー(紙管)をジョイントしたものです。 ジョイント部 内径 355mm× 長さ 1500mm 7 巻き 厚さ 2.3mm×3 個=4500mm |
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パッケージ製造時などに使用する抜き型は、積層された木材を曲げ、刃を埋め込んで造られています。写真はこの木材の部分を紙に変えて試作したもので、加工し易く軽いので、後の作業性も向上させます。 ![]() 試作品一部(紙製) |
通常品(木製) |
片面段ボールを何重にも重ね、円筒形にした後、内外面にアルミラミネート加工を施したダクト試作です。空気を取込む構造なので、壁面に空気が留まるため、断熱効果が期待できます。軽量で、作業性も向上させます。
展示会場の設営等にさまざまな展示会場ブースに、ジョイントした長筒を利用して表面に出力印刷物を巻き付け加工。紙製なので、軽くて作業性がよく、展示会終了後の廃棄も容易です。
当社の平巻紙管は、巻きつける機械でのハンドリングが可能なある程度の厚みがあれば紙の種類を選びません。当社のバックグラウンドとなる王子グループでは、王子マテリア株式会社をはじめさまざまな種類の紙を取り扱っており、グループ企業との連携により、ニーズに合ったさまざまな紙の調達をスムーズに行うことができます。
段ボール原紙 Kライナー |
段ボール原紙 白ライナー |
段ボール原紙 カラーライナー |
段ボール原紙 耐水ライナー |
段ボール原紙 片面段ボール |
段ボール原紙 防錆紙 |
※これ以外の紙についてもご相談ください。
紙管の素材となるライナーの主原料には古紙が使用されています。社会から再利用される古紙を利用した新たな原材料として循環され、社会・環境にやさしい素材といえます。
紙の原料となるパルプは木材の繊維からできています。その紙を重ねて造られたペーパーシリンダー(紙管)は木材とほぼ同じ原料ですので、基本的に木材と同じような加工が可能です。さらに、木材より密度・比重が小さいうえ、中が空洞ですから、非常に軽く、加工し易い素材です。
ペーパーシリンダー(紙管)の内面あるいは外面に異なる素材を貼り合わせることにより、新たな機能を付加することができます。また壁紙や印刷された紙を貼り合わせることにより、デザイン性を高めることができます。
内側にアルミラミネート加工を施すことにより、防湿機能をもった紙管として利用することができます。密閉性を高める加工も可能です。
壁紙を外面に貼り合わせ、インテリア機能を向上することができます。紙だけでなく、カラーフィルムを貼り合わせることも可能です。
金属部材などの素材と組み合わせることにより、紙管端面の強度を補強することも可能です。
ペーパーシリンダー(紙管)の素材である紙はもともと木から作られますから、必要に応じて木材と同じように加工することができます。
ペーパーシリンダー(紙管)の切り口は、斜めなど自在な角度でカットすることができます。 |
抜き型パンチにより穴開け加工が可能です。抜き型の形状は自在に変えることができます。 |
ペーパーシリンダー(紙管)の両端の切り口を触っても安全なように、カール状に加工することができます。 |
「こんなことはできないだろうか」「こんな製品はないだろうか」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。私たちは技術的な検討を繰り返し、必要に応じて外部企業とも連携して解決策を探します。そして試作を作成し、お客様とともに要件を満たした性能かどうかを丹念に吟味。徹底した品質管理のもと、製造いたします。
当社ではこれまでファイバードラムの製造を通じて、紙管に関する数多くのノウハウを蓄積してまいりました。その技術力をベースに、これまでにない製品づくりにも積極的にトライ。お客様がご納得いただける答えを導き出します。